創業者 出原安太郎は、社名に自戒の意を込め“自重”の二文字を盛り込んだ「合名会社自重堂」を1924年(大正13年)9月14日に創業しました。創業当時の日本は、経済恐慌や関東大震災に見舞われるなど多難な時期であり、そのような時代背景の中、自重堂は作業服・学生服用小倉地の製織を開始しました。出原安太郎は、創業当初より「一貫体制による仕立販売」という未来の構図を描き、“積極進取”の精神のもと目標に向かい挑戦を続け、製織から縫製加工、そして既製服の販売へと着実に事業領域の拡大を進め、現在の自重堂の礎を築きました。
以来、“自重”と“積極進取”という創業の精神は、伝統と共に今日まで受け継がれ、自重堂の発展を根底から支え続けています。
創業から時代の変遷を経る中で、自重堂は1960年(昭和35年)7月1日に「株式会社」へと組織を変更し、営業・生産体制の合理化と徹底した商品供給力の強化を図ってまいりました。1970年代のアパレル業界では、商品を代理店や小売店がストックする“ディーラーストック”が常道であった中、当時、専務取締役であった出原群三(後の第5代社長)は、業界に先駆けて“メーカーストック・即納体制”による商品備蓄配送システムを構築し、そして、
ワーキングウエアにおけるブランド確立など、それまでの常識にとらわれない“積極進取”の経営により、売上を飛躍的に拡大させました。
そして、第5代社長に就任した出原群三は、1994年(平成6年)創業70周年の年において、念願の株式上場を果たすと共に、コーポレート・アイデンティティ(CI)の導入により「自重堂の心」「経営の姿」「行動指針」を制定し、以来、企業理念の浸透と更なる企業価値の向上に努めてまいりました。
株式上場、コーポレート・アイデンティティの導入から20年、少子高齢化社会の進行、産業・経済活動のグローバル化など、当社を取り巻く経営環境は大きく変化し、従来型ビジネスモデルからの転換期を迎えました。そのため、新たな経営戦略を策定し、その経営戦略に則ったコーポレート・アイデンティティの構築が必要となりました。
今後どのような経営環境の変化にも対応し、企業の社会的責任を果たすと共に、持続的な成長・発展を遂げるためには「確固たる理念を持って企業活動を展開し、挑戦し続けなければならない」との認識に立ち、創立90周年である2014年9月14日を「第2の創業の日」と制定いたしました。
自重堂は「第2の創業の日」を起点とし、100周年、200周年に向けて、グローバルな経営戦略の実践、そして、新しい価値を創造し続ける企業
『グローバル・イノベーションカンパニー』を目指します。
『グローバル・イノベーションカンパニー』へと成長するには、事業領域・業務のグローバル化のみならず、社員自身もグローバル化(人種・考え方・社風など)する必要があります。“自らが変わる”“会社が変わる”“社員自身が変わる・変えていく”ことに企業・社員が挑戦していかなければなりません。そのためには、社員の意識・行動、企業の存在意義・責任を明確にする必要があると考え、創業からの精神・理念を踏襲しつつ、新たに『自重堂企業理念』を策定いたしました。
株式会社 自重堂
代表取締役社長 出原正貴
自重堂の社名は、文字通り「自重する」に由来します。「自分の品位を保って軽はずみな行動はしない。自分の身体を大切にする」という自尊・自愛の精神です。そして、「積極進取」とは「積極的に自らが進んで課題に取り組み、新たな価値の創造に向けて挑戦していく」というチャレンジ精神です。
創業以来、幾度かの経済環境の激変を乗り越えることができたのは、「自重」と「積極進取」の精神をもって企業活動を展開し、挑戦し続けてきたからだと確信しています。
「自重」と「積極進取」は、伝統と共に今日まで受け継がれ、そして、これからも変わることのなく自重堂の発展を根底から支え続ける創業の精神です。
1994年7月、コーポレート・アイデンティティの導入により『自重堂の心:「衣」の夢づくり暮しづくり』を制定いたしました。
以来、『「衣」の夢づくり暮しづくり』は社員一人ひとりの「心」に深く浸透した企業活動の精神(心)となっています。
自重堂は「衣」を通して、人々の求めている夢を実現し、豊かな暮しと社会づくりに貢献していきます。
そして「衣」を事業の核としながら、「衣」で培った“ものづくり”を進化・発展させ、より広い視点で企業活動を進展させます。
時代環境を捉え、消費者の欲求に応え、最適の品質・価格・納期で商品をつくり、経営を強化・安定させるよう全社員が行動します。
自重堂を取り巻く経営環境は、顧客ニーズの多様化、流通における業態変革など、時代と共に変化し続けています。その変化に対応するため、自重堂は従来の事業領域である「衣」に加え、“働く人”をキーワードに事業領域の拡大を図り、更なる成長・発展を目指します。そして、顧客のニーズを的確に捉え、「働く人の安全・安心・快適・満足」を商品化し、魅力ある商品を提供することにより、“ものづくり”を通じて世界中の働く人を応援し、豊かな生活と、社会や経済を支える企業の発展に貢献し続けます。
また、企業活動の中で、企業理念の実現と環境保全の不可分を認識し、環境影響の継続的な改善と汚染の予防に積極的に取り組み、「私達は、明日の地球環境のために何をなすべきか」を考え行動します。企業の社会的責任使命を果たしつつ、全社員一丸となって企業活動を展開し、株主様、お客様、取引先様、従業員をはじめとする全てのステークホルダー(利害関係者)の皆様に信頼される企業であり続けるため、企業価値の向上に努めてまいります。
創立90周年である2014年9月14日を「第2の創業の日」と制定し、新しい自重堂への変革の日としました。企業が持続的に成長・発展するには時代や
環境変化への対応と共に「企業自体が変革しなければならない」の考えのもと、創業以来、永年にわたり培ってまいりました「積極進取」の精神に
則り、将来を見据えた新たな事業への進出、グローバル化を進めてまいります。そのためには、国籍や性別に関係なくグローバルに通用する人材の
採用・
育成、国内市場にとらわれず海外市場への進出と共に、“働く人”をキーワードとした事業領域の拡大による新たな商品の開発、そして挑戦・
変革の経営を実践することにより、「世界中の働く人を応援するグローバル・イノベーションカンパニー」を目指します。
変化は成長・発展の機会であると考え、現状を的確に見る目を養うとともに、将来の動向を見据える「先見性」をもって行動し、常に新しいことに挑戦する革新の経営を行います。
企業は「人の豊かな生活に奉仕し、広く社会全体と協調する有用な存在」でなければなりません。社会に有用な存在として、需要を創造し、信頼を築き、株主様、お客様、取引先様、従業員をはじめとする全てのステークホルダー(利害関係者)の皆様に満足を提供できる経営を行います。
人は経営の単なる構成要素ではなく、能力、欲求、価値観などの総合された人格をもった人材=「人財」だと考えます。働きがいと生きがいを求め、
自己成長や自己実現を支援し、個人と会社が共に成長する経営を行います。
2014年9月14日「第2の創業の日」において、第2の創業スローガンを制定しました。
第2の創業スローガンは、新たに制定した企業理念をもとに、自重堂の持続的成長に向けて、社員一人ひとりが常に考え、取り組むべき事業活動を
簡単にわかりやすく表したものです。
組織・部門の枠を超え、社員一人ひとりが考え、挑戦し、既存の事業領域や常識にとらわれず、新たな需要を創造する商品の開発に取り組みます。
そして、現状に満足せず「もっといい商品」を提供し、お客様に喜んでもらえるよう、最適の品質・価格・納期で“ものづくり”を行います。
決して安売りはせず、「必要な商品を、必要な時に、必要な量」を提供できる体制を構築し、徹底した原価管理に基づく適正価格にて「たくさん、
きちんと」商品を売ることにより、売上・利益の持続的拡大を目指します。
自重、協調、堅実を旨とする創業の“自重堂スピリット”を珠玉で表し、これを社業であるアパレルの代表素材の布地で天に向かって押し上げていく躍進の姿を図案化。社業の発展とその勢いを表現したスピリット・マークであり、原則として社名の英文ロゴと併記する。
信頼と安定を第一とする企業体質、これに先取りを重視するアパレルとしての事業特性を加味して割り出された特色であり、独自性とおしゃれ感覚を主張する色合いといえる。